Harryのチューニングのリスト

このポストで、Harry(村越弘明)がThe Street Sliders(以下、スライダーズ)のときに利用していたギターのチューニングを曲別にリストにまとめました。

私は自分でもギターを弾きますし、スライダーズの曲のコピーもしたことはあるので、スライダーズの曲で利用されているチューニングはある程度は把握していました。ただ、網羅的には把握していなかったので、自分のメモ用ということを主な目的にして(ほぼ)全曲のリストを作成してみました。

上で書いたように、私は自分でもギターを弾きますが、音だけ聞いてチューニングを判断できるほど耳はよくないので、チューニングの判断には基本的に演奏の映像を用いています。演奏を見れば、どんなギターで、どんなチューニングを利用しているかがよくわかりますので。ただ、映像には残っていない曲も少しはありますので、それについては結構判断に迷いました。

「映像を見るより、スコア(楽譜)を見たほうが確実だし、手っ取り早いんじゃないの?」と思われるかもしれません。スコアは当然どのチューニングを利用しているかも反映しているはずなので、確かにそうです。そして、実際、スライダーズの多くのアルバムに対してそのスコアが出版されています(現在は全部絶版で、古本じゃないと入手できないと思いますが)。例えば、『Slider Joint』、『がんじがらめ』、『JAG OUT』、『夢遊病』、『BAD INFLUENCE』、『SCREW DRIVER』、『NASTY CHILDREN』、『HOT MENU』、『WRECKAGE』のスコアが出版されていましたし、シングルの曲などを対象としたスコアも出ていたと思います。私も上の挙げたもののうち、『NASTY CHILDREN』、『HOT MENU』以外は持っています。

それではなぜスコアを根拠にしないのかと言うと、実は出版されている多くのスコアのHarryの演奏パートのスコアは正確ではないからです。もう少し具体的に言うと、多くのスコアでは、Harryが実際にはオープン・チューニングで弾いている場合でも、レギュラー・チューニングを利用しているということにして採譜をしてしまっています。ですので、スコアで利用されているチューニングはあてにならないです。

例えば、以下のページに『Slider Joint』のスコアがあります。

https://diskunion.net/jp/ct/detail/DFS211129-120

ここで書いたように『Slider Joint』ではHarryは10曲中7曲をオープン・チューニングで弾いていますが、このスコアでは全曲レギュラー・チューニングとして採譜されてしまっています。これは『がんじがらめ』でも同じですし、もっと新しい『SCREW DRIVER』や『WRECKAGE』のスコアでも同じです。

全部のスコアが全くオープン・チューニングを考慮していないというわけではなくて、例えば、し『JAG OUT』や『夢遊病』のスコアはちゃんとオープン・チューニングも反映しています。そして、『JAG OUT』のスコアはだいたい正確なチューニングを反映していると思います。しかし、『夢遊病』のスコアはレギュラー・チューニングを利用しているはずの「New Dance」や「今はこれでいいさ」をオープン・チューニングとしているというように逆方向に間違えています。

以上のように、スライダーズの曲のスコアはチューニングの選択の時点で正確じゃないものが多く、あまりあてにはならないです。それで演奏の映像を見て判断することにしました。

【注】オープン・チューニングの曲をレギュラー・チューニングとして採譜しているのを「間違って採譜している」とように書きましたが、「意図的に」そうしているものもあると思います。レギュラー・チューニングのままでも原曲をある程度弾けるようにということで。